税務調査で言ってはならない5つのフレーズ

税務調査において調査官が巧みに言葉を使い、納税者の発言を誘い、
その揚げ足を取って課税する、ということがよくあります。


税務調査を受ける側としては、調査官に対して余計なことを話さないことがいいのです。


さて今回は、税務調査で言ってはならないフレーズを5つにまとめてみました。


「前の税務調査で言われませんでしたよ!」


以前の税務調査で否認指摘されなかったからといって、今後も同じことが認められるというわけではありません。
調査官も人間ですし、また税務調査は日数が限られているため、すべてチェックすることができないというのが、本当のところです。


税務調査を複数回受けた側として、このフレーズを言いたい心情はわかりますが・・・
こう言ったがために、遡られる必要のない過去まで、修正申告の提出を求められる可能性があるので注意が必要です。


「経理と税理士に全部任せているから知らない」


実際のところ、経営者としてすべての経理処理がわかるわけではないことは現実でしょうし、この点は調査官もよくわかっています。

しかし、調査官は経営者の態度・姿勢まで見ています。
つまり、「この経営者は、会社の数字を他人任せにしていないな」と調査官が思えば、それほど深く追及してこない点も、このような発言を平気でする会社は、「経営者が内容をわかっていないのだから、叩けばホコリが出る」と思われてしまうのです。


「趣味はゴルフと飲むこと」


税務調査でよく見られるポイントとして、経営者の個人的な支出を、経費にしていないかどうかが挙げられます。

当然、顧客や取引先と行った接待(ゴルフや飲み会)などは経費になるべきものなのですが、この境界性が曖昧であることが多くあります。

このような発言をすると、「社長、接待費の中に、個人的なゴルフ代や飲み代が入っているのではないですか!?」と疑われる端緒(キッカケ)になるのです。


「うちの取引先なんてもっと儲かってるのに全然税務調査に入れてないぞ!
もっと儲かってる会社に税務調査に行けよ!!」


こう言いたくなる気持ちはよくわかります。税務調査というのは行われている会社にバラツキがあり、税務調査によく入られる会社も、そうでない会社もあります。
しかし、このような発言をしてしまうと、調査官にこう言うでしょう。


「では、その「もっと儲かっている取引先をぜひ教えてください。
教えていただければ、ぜひ税務調査に行かせてもらいますよ。」

こう言われてしまうと、黙ってしまうしかないでしょう。まさか取引先を巻き込むわけにはいかないでしょうから。

税務調査というのは、1つの会社に入れば、その影響で取引先などに連鎖することがよくあります。自らこのような発言をしてしまえば、その連鎖を大きくしてしまう可能性もあるということです。


「節税は納税者の権利だ」


このフレーズは、客観的に考えて正しいのは間違いありません。
節税というのは、「合法的に税金を減らす行為」であって、合法である以上、税務署にとやかく言われたくないのは当然です。
しかし、この「節税」なる言葉の定義は実のところ、微妙なこともあるのです。


例えば、決算期末に大きな売上が計上されることがわかったとします。ここで経営者としては、予想外の納税が発生することがわかり、「節税」になる方法を考えるわけです。
この売上が数千万円にもなれば、そんなに簡単に節税などできるわけがありません。
そこで、無理やり役員を退職させたことにして、退職金を支払うことにすれば、これは「節税」と呼べるのでしょうか?
「節税」と「租税回避行為」の境目は非常に曖昧で、その判断は難しい問題です。

しかし、税務署に「租税回避行為」と指摘されれば、いくら「節税」だと声高に叫んだところで、否認されてしまうリスクが内在しているわけです。
「節税は納税者の権利だから問題ない」と思っても、調査官にわざわざ言う必要のない言葉なのです。


税務調査では余計なことを言わないように気を付けるべきなのです。