税務調査に入られると、「なぜうちに税務調査が入ったんだ?」不思議に思う方も多いことでしょう。
税務署は当然のことながら、税務調査に入る先をランダムに選んでいるわけではありません。
あくまでも、「怪しい」と考えているからこそ税務調査に入るわけです。
調査先を選定するポイント
税務署が税務調査先を選定するポイントは多岐にわたりますが、
もっとも税務調査に入られやすいパターンは、
売上が上がっている・増えているのに利益が増えていない・下がっているケースです。
経営者であれば、売上が上がっているからといって、それに連動して利益が増えるわけではない、
と思うのでしょうが、税務署の見方はそうではありません。
「利益を圧縮するために、何か悪いことをやっているのではないか?」そう考えるのが税務署なのです。
また、売上が増えていなくても、
法人の場合は設立から10年以内に税務調査に入られるのが、むしろ普通です。
税務署としては、税務調査を行わなければ、その会社がどのような事業をしているのか、
その実態を把握することはできません。
提出された決算書だけを見て、事業内容は把握できませんので。
このようなケースでは、税務署は特段あやしいと思っているわけではなく、
税務調査に入ることになります。
取引先などは怪しくないか
また、税務調査に入るきっかけとしてよくあるのが、取引先などに税務調査に入ったパターン。
ある会社に税務調査が入ると、税務署はそこから得られた情報をもとに、
取引先が怪しくないかを確認することにつながります。
○取引先の売上と、こちらの経費(仕入・外注費など)が一致しているのか?
○お金のやり取りが一致しているのか?
○数量・単価などが一致しているのか?
取引があるということは、こちらとあちらの数字が一致してるはずなのですが、
実際のところはズレている場合もあります。
これは、会計処理の問題である場合が多いのですが、
税務署としては不正な取引として疑ってくることも多くあります。
「資料せん」=内部情報
また、税務署は常日頃から、脱税者(社)を捕まえるために、
あらゆる面から情報収集を行っています。
例えば、税務調査を行うと、その取引先や取引金額を情報として残しており、
その後の税務調査に生かしています。
税務調査に入らなくても、雑誌・チラシの広告から情報収集したり、
街を歩いていた際に見かけた駐車場の台数から、
持ち主がきちんと確定申告を適正にしているのかまでチェックしているのです。
このように収集した情報を、「資料せん」と呼ばれる税務署の内部情報としてためており、
資料せんと照らし合わせて、金額や取引内容が相違しそうな会社に税務調査に入ることになります。
税務調査に入られて、重点的にヒアリングされた・調べられたポイントがあるとすれば、
それは調査官が資料せんを持っていると思って間違いないでしょう。
税務調査に入られる理由・根拠はいろいろとあるのですが、典型例は上記のようなポイントです。
いつ税務調査入られてもいいように、日ごろから取引内容などをきちんと説明できるようにしておくことが重要になります。