税務調査で税理士がいないリスクは?

「税理士に確定申告をお願いしている場合と、

自分で確定申告をして税理士を付けていない場合、

どちらの方が税務調査に入られる確率が高いのでしょうか?」

 

この質問に確実に回答できるだけの資料は何も公開されていませんので、

断定的な答えはできませんが・・・

おそらく、「どちらでも税務調査に入られる確率は同じ」でしょう。

 

税務署の調査官の立場になって考えれば、

 

○税理士がついていない・・・

自分で確定申告をやっていて誤りが多いはずだから追徴税額を見込める

 

○税理士がついている・・・大きなミスはないだろうが、

事業規模も大きいから税理士をつけているのだろうし、

税理士がいた方が税務調査で話が通じやすい

 

という、わりと単純な心理的比較になるものと考えます。

 

さて、税理士をつけずに自身の確定申告や、法人の申告をすること自体は何ら問題ないわけですが、

では、税務調査に入られることになった場合、税理士がいないことで、どうなるのでしょうか?

 

他のトピックでも取り上げていますが、税務調査には法的な「手続き」

(無予告調査や反面調査など)が定められていますが、法律に反する税務調査をされても、

知識がなければ適正な対応ができないことになります。

実際に、不当な税務調査が行われても、

そのこと自体に気付かないわけですから、何も反論のしようがありません。

また、税理士がいなければ、

調査官が言っていること・否認指摘してきたことが、

本当に正しいことなのか、判断することもできません。

もちろん、税理士と同レベルの会計・税務知識を持ち合わせていれば問題ないのですが・・・

 

税理士に依頼せずに確定申告をしていても、

税務調査の立会いだけを税理士にお願いすることも、もちろん可能です。

税務調査の経験も知識もないのであれば、

プロである税理士に税務調査の立会いだけでも依頼することをオススメします。

 

では、税理士を顧問につけていれば、それだけで安心できるかといえば、それもまた違います。

実際の事例として、税務調査の途中で税理士を変えたら、

追徴税額が3分に1以下になった、という税務調査の事案もありました。

これは、調査官の否認指摘に対して、顧問税理士が何も反論してくれず、その上さらに、

税理士が社長に対して、「税務署の言うとおりにしておいた方がいいよ」と、

税理士が明らかに国税の味方についていることから、社長が不審に思って、

税務調査の立会いだけを別の税理士に依頼したケースでした。

テレビ番組を作成する下請け会社でしたが、当初提示された追徴税額は約6,000万円。

これが税理士を代えた結果、最終的に2,000万円弱になりました。

この2,000万円の追徴税額については、

社長も納得できる明らかな間違い・ミスだったようです。

実際のところ、税理士によって税務調査の結末が明らかに違ってくる

ということが明らかな税務調査の事例でしょう。

 

「うちの顧問税理士は信用できるので大丈夫!」という方も、税務調査では注意してください。

税務調査が開始されると、通常は税務署との連絡は顧問税理士が行うものです。

しかし、調査官の中にはあえて税理士に連絡せず、会社に直接連絡したり、

また突然会社に訪問したりするケースもあります。

税務調査の途中で、調査官が直接会社に連絡したり、突然訪問したりする理由のほとんどは、

顧問税理士がいないところで、税務署に有利な発言を引き出したり、

証拠を収集したいという、調査官の考えにあります。

 

調査官が顧問税理士のいないところで行動を起こすということは、

税務署の立場で考えてみると、顧問税理士がいない方がありがたい、

ということです。つまり、顧問税理士がいた方が困るというわけです。

これを納税者の立場から考えてみると、顧問税理士がいないと困る、と理解できるわけです。

実例として、顧問税理士がいないところで、突然調査官が訪問してきて、

さまざまな事情を聞かれた挙句、

「この書面にサインしてください」と言われ、言われるがままサインしたところ、

納税者にとって圧倒的に不利な書面だったというケースがあります。

 

このような調査官の行為が「違法か」と問われると、違法ではありません。

なぜなら、顧問税理士が不在の場合でも、税務署は納税者と直接連絡・対面できるからです

(あくまでも税理士は、納税者の「代理人」という理解です)。

しかし常識的に考えてみると、税務署との正しい対応方法がわからないから

顧問税理士を雇っているわけで、ここで顧問税理士に不在の中、

何か税務署に行為を求められたら、

自分たちによって有利か不利かもわからずに、対応してしまうというのが現実でしょう。

だからこそ、税務署からの連絡や訪問は対応すべきではなく、

すべて顧問税理士に任せてしまった方がいいのです。

 

ここで大事なことは、税務調査の事前連絡のみならず、税務調査の期間であっても、

常に「顧問税理士にすべて任せているので、そちらの方に連絡してください」、

「直接連絡されてもわかりません」という、

一貫した対応を続けていただきたいということです。

 

税務調査は最初から最後まで、(信用できる)税理士に任せてしまうことが、

もっともリスクヘッジになるということです。