事業を移管(事業譲渡)したら税務署に見つかるのか?

事業を移管(事業譲渡)したら税務署に見つかるのか?

1つの法人で複数の事業を行っている場合、

事業ごとに法人を分ける方が、何かとメリットがあることに気付きます。

 

事業譲渡とは?するメリットは?

〇複数法人に利益を分散した方が法人税などの税金が安くなる

〇1事業1法人の方が経営管理しやすい(売上・利益が把握しやすい)

〇事業ごとに責任を明確にし、評価をしやすい

〇事業を売却する場合、法人ごと売却した方が、税金は低くなるケースが多い

 

さて、ここで2つのまったく別の事業を行っている法人があるとしましょう。

 

A社(社長1名)の事業内容

①X事業:売上2億円 利益1000万円 従業員20人

②Y事業:売上1億円 利益200万円 従業員10人

 

ここで、B社を新たに設立して、Y事業を従業員ごと移管することを考えます。

 

社長の立場で考えると、A社もB社も同じ自分の会社ですから、

2つの事業を2つの会社にしただけ、という認識に間違いはありません。

ただ、現実はそう簡単にはいきません。

なぜなら、A社はB社に事業を移管したのですから、

その対価(お金)をB社から受け取らなければならないからです。

これを法律上で「事業譲渡」といいます。

 

事業譲渡の問題点

事業譲渡をするときの問題点は、

 

〇事業譲渡の対価が適正でなければならない

(第三者であれば出したであろう金額設定)

 

〇A社がB社から受け取るお金には法人税などがかかります

 

〇A社がB社から受け取るお金には消費税もかかります

 

〇B社が支払う実際のお金を用意しなければなりません

 

など、多数考えられます。

そこで、頭の良い人は考えるわけです。

 

事業譲渡はバレない?

「A社とB社で事業譲渡をやっても、そんなお金を払わなければいい。

だって、税務署はそんなことわからないから

 

はい、確かに税務署からすれば、B社が新たに設立された法人で、

その事業を最初からやっているのか、もしくは他から事業を移管されたのかは、

外形的にはわかりません。

 

しかし・・・です。

この事業譲渡が税務署にバレてしまう可能性は、こよなく高いと言えます。

なぜなら、税務調査に入られる確率が高いからです。

 

新たに設立された法人で、初年度から

「売上1億円 利益200万円 従業員10人」

というのは、なかなかありません。

非常にうまくいっている会社です。

しかも、法人が設立されて2年間(正確には2期)は、

資本金が1000万円以上など、特殊な理由がない限り、

消費税が課されませんので、税務署も目をつけやすいのです。

だからこそ、初年度から売上などの規模がある法人には、

かなり高い確率で税務調査に入られることになります。

税務調査に入られてしまうと、実態を知られることになりますので、

「実質的に事業譲渡なので」ということで、

多額の追徴税額が課されることになります。

 

このように、事業譲渡がバレないだろうという理由で、

対価を払わずに事業を移管するケースが多いのですが・・・

すでに説明したとおり、税務署にはほぼバレることになります。

また、これが悪質だと認定されれば、

重加算税も課されてしまうことも想定できます。

 

「税務署にはバレないだろう」は危険な発想ですから、注意してください。

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